読み終わったレンズマン
2005年 01月 09日
銀河パトロール隊—レンズマン・シリーズ〈1〉
先日読み終わりました。新訳になって、昔見たポップな挿絵がなくなってました。一切挿絵なしなのが良いです。
挿絵のことを覚えてるくせに、話の展開等細かいところを全部忘れてたので、初めて読むのと同じ状態でした。
いや、もう、キムボールさん、完璧超人すぎ。
容姿端麗で身体機能最高で勉学優秀。頭脳鋭く、どんな逆境にあってもくじけず天性のひらめきで事態を打破する。
こう、文字で設定だけ読むとすげーむかつくキャラでしかないのですが、物語の中ではすげー輝いてみえるのです。上手いなー。
何をやらせても軽々こなしてしまうキムボールの前に、いやそれありえないからレベルの難仕事が立ちふさがるので、あまり天才性がハナにつかないのです。主人公の超人ぷりにむかつくより先に「なんじゃこの事態は」とあぜんとしたり「そんなんありか」な難題に魂抜かれたりして、キャラ造型上のマイナス面に目を向けるヒマがないのです。
実際、「こいつって、作者に愛されまくって無敵オーラ放ってるキモチワルイキャラかも?」と我に返ったのは読了後でした。
だからって読むのやめと思うには、先の展開が気になりすぎ。
無敵キムさんも、重傷を負ったり失態を演じたり、少々へこむようなことを経験してるので、まあゆるしてやるかとえらそうに思うわけです。へこんでる時、誰も甘やかさないしな。キムも、誰かを頼ろうとしてないしな。
今は「グレー・レンズマン」を読み始めました。クラリッサとの関係が、べたべたしてないビジネスライクな空気なのがステキ。
by kusarigamayaya
| 2005-01-09 18:46
| SF小説